六本木ヒルズの展望台から満天の星空みたいな夜景を眺めたことは何度もあったけど、そういえばこの場所から星空を見上げたことなんて一度もなかったな。
11月7日(土)から始まる六本木ヒルズ展望台・東京シティビュー「星空のイルミネーション」に行ってきました。テクノロジーを駆使したロマンチックなこの星空鑑賞イベントでは、スマホで星空を操るという世界初のプロジェクションマッピング「星にタッチパネル劇場」が体験できます!
現在位置から今見えるはずの星空を再現
夜空に向かって投影されているのは、今この場所から観れるはずの星空。座標や年周計算とともに118,218星が収録されたヒッパルコス星表という、めちゃくちゃ難解な計算をプログラムで再現しています。会期中に見える星空もリアルタイムに動いているそうですよ。
現在スマホで操作できるのは、星の調光、星の数合わせ、月の満ち欠け、月の拡大・縮小、流れ星ボタン、マウスカーソルs、星空のリモコン(早送りと巻き戻し、一時停止)、星空の方角、星空の季節、星空のジュークボックスの計10個。
会期中にも新機能がどんどん追加されていくそうです。楽しみっすなー!
「見えないモノを見ようとして」
「星の数合わせ」機能では、スマホ上のスライダーを動かすと表示される星の等級がどんどん増えていき、最終的には14等星まで見ることができます。「見えないモノを見ようとして、スマホをさわってみた」と実際にデモしながら解説してくださったのは製作者であるAR三兄弟の長男・川田十夢さん。チルなBGMはThe Album Leafの「the light」です。
東京の上空にこれだけの星があるなんてあらためて考えるとすごいですよね。ふだんそんなこと全然意識しないし、都内で街を歩いてて空を見上げることも年に数回あるかどうかな気がする。
せっかくなので、長時間露光でAR星空を撮ってみたい
ふと思ったんですが、六本木で満天の星空を見れるチャンスなんてもうないかもしれません。これは長時間露光で収めておくべきなのでは…!
東京の天体を操れる唯一神の力(正確にはAR三兄弟・川田十夢さんの力)をお借りして、天体を早送りしていただきながら長時間露光してみました。三脚もシャッターリモコンも持ってこなかったため、カメラの露光時間は2秒です。
おお!!! なんかそれっぽい写真になってるじゃないですか!!!
400倍のスピードで再生したので現実世界だと13分くらい露光したイメージでしょうか。恐ろしく時間が省けてしまいました…。なんだか罪悪感すら感じます。よし、次回は三脚セットして1倍速でやってみよう。ってもはや完全にイベントの主旨を間違えた人にw
さらに流星群も長時間露光で撮りたかったのですが、こちらは流れている様子が上手く撮れず。ちなみに流れ星ボタンは押してから5秒間に大きさもタイミングもランダムに流れる仕様で、どんな星が流れるかは川田さんにも予測できないそうです。
流れ星はARでも尊いモノなんですなぁ…。
さらに天体を動かしていただく
会場ではリアルな方角と同じ東側の空が映しだされていますが、スマホのボタン一つでほかの方角の空に切り替え表示することもできます。天体の方角がぐりぐりと動いていくときに緯度経度が表れるのですが、これがなかなかにステキ。
写真は、窓の右側を北極点が通過しているところ。システムとしては六本木ヒルズ以外の場所から観た空も映せるそうで、つまりこの作品、世界中で公開できるようになっています。すごい。ワールド・ツアー実現してほしいなぁ。
「あの星、何座?」も分かる
私はふだん海岸で星空を眺めるのが好きなんですが、ぶっちゃけ星座はオリオン座とカシオペア座と北斗七星くらいしか認識できません。しかも、見たことないAR星空なんてなおのことです。そんなときに便利なのが、マウスカーソルを合わせると星座をつないで名前を表示してくれる「マウスカーソルs」機能。
「うお」
写真では柱に隠れてしまって見えづらいのですが、カーソルの下には操作している人の名前がでてきます(ここでは「長男」)。これなら複数人で一緒に操作してても分かりやすいですね。
流れ星だけでなくミュージック・ビデオまで流せるAR星空
この作品、星空が見えるだけじゃないんです。今現在、スマホの操作では星にちなんだ2曲がプロジェクションマッピングで夜空に映しだされます。
■小沢健二「流星ビバップ」
この曲を選んだ理由を、川田さんはこんなふうに語っていました。
マッピング映像にある表現は、都市と地続きで連なる星のイメージを根拠にしていて、「流れ星 静かに消える場所 僕らは思いを凝らす」の部分と映像終盤の星がレンズフレアするシーンが、まさしくある時代の東京の空気を切り取ったものであるなと。
最後のレンズフレアってこれか。私も好きだったなこのシーン。
■BUMP OF CHICKEN「天体観測」
疾走感あふれるムービー。歌詞の「見えないモノを見ようとして」というフレーズは、デモ中に川田さんが何度か強調されていたキーワードでもありました。
スマホから選んで流せる楽曲も、会期中に増えていくみたいですよ。
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と、こんな感じですっかり満喫してしまったAR三兄弟「星にタッチパネル劇場」。川田さん、充実のデモと解説、誠にありがとうございました!
そして新機能や新曲が追加される頃にまた行きたいので、どなたか一緒に行きましょうー!