米国Uberで指名・相乗りマッチング・トラブル対応をひととおり経験してみた感想

Uber

やっぱりすごかったっス、Uberさん!

タクシー業界との軋轢を生み、アメリカ内だけでもカリフォルニア州ニューヨーク市などとにらみ合い(NY市とはその後合意)が続く配車サービスUberですが、実際に使ってみるともうバスにもタクシーにも乗る気がしないほど便利

もちろん、乗車側から見た課題もないわけではなく、今回はアメリカのフロリダ州、カリフォルニア州でそれぞれ使ってみた感想をまとめてみました。
 

タクシーの半額で使える価格設定

 
今回、最初に滞在したのはフロリダ州オーランド。リゾート施設への無料シャトルバスは出ているものの、市バスがあまり充実していないこの場所での移動はタクシーがメインとなります。それはタクシー会社側もよく理解していて、しっかり観光客むけの標準価格が存在しています。

そこで、ホテルからタクシーで向かったお店のスタッフさんに地元の適正価格を訊いたところ、「僕はUber使ってるよ〜」と即答。曰く、一般的なタクシーの半額くらいで使うことができ、その彼にはお抱えドライバーもいるのだそう。

で、実際に使ってみた結果がこちら。

  • 往路(タクシー):20ドル(チップ込み)※観光客むけ標準価格
  • 復路(Uber):7.35ドル(チップ不要)

…。え?

ほとんど3分の1近いじゃん。

つか、どんだけボってくれたんだよ、タクシーさんよぉぉぉおおお!

という憤慨はさておき、単純な乗り心地や接客などを比較してもUberのほうが好印象でしたね。ドライバーSさんとも仲良くなり、最終日はホテルから空港までの送迎も依頼するまでに。
 

乗車料金・時間をかんたんに自動見積り

 
米国では、Uberアプリ内で乗車料金の自動見積りが1タップでできます。また、Uberがインストールされた端末ではGoogleマップの経路検索でもUberの乗車料金・時間が表示されるので、公共交通機関との比較もかんたん。

Google Mapの検索結果にUber

これはオーランドのコンベンションセンターからオーランド国際空港(MCO)までの経路一覧。タクシーでは33〜39ドル(オーランドベストガイドより)、シャトルバスでは20ドル(実績値)かかるところ、Uberでは11〜15ドル。

って、シャトルバスより安いじゃん!!

ちなみに市バスは2ドルですが、上のリストでも分かるとおり1時間に2本しかないうえ移動自体にも時間がかかります。シャトルバスも目的地直行ではないから、Uberより時間がかかる。というわけで、ここでもUberさん圧勝でございました。

ちなみに日本国内のUberはタクシーと同料金なので、今のところあえて使いたい理由はないかなぁ…というのが正直なところ。サービス提供エリアがあまりないってのもあるけど。
 

ドライバーを指名したい場合

 
さて、米国での話に戻ります。

最初にお世話になったドライバーSさんがあまりにも素晴らしかったので、オーランド最終日にホテルから空港まで送迎をお願いしました。Uberアプリ上では特定の誰かとつながれないので、電話番号を交換して事前にSMSで時間や場所をやりとりし、待ち合わせ場所に行くと「じゃあUberのアプリを立ち上げてください」とSさん。ここであらためてUber上でマッチングを経て契約成立。

もちろん、ずるしようと思えばUberの見積もり料金をもとに個人間で直接やりとりすることも不可能ではないんでしょうけど、料金などトラブルを避ける意味でもUber経由にしておいたほうがいいとドライバーさん側も判断してるのかもしれませんね。そういや最初にUberをすすめてくれたお店のスタッフさんも「よくお願いしてるUberの運転手さん」って言ってたっけ。

手数料が収益源となるマッチング系プラットフォームサービスにとっては、いかにサービス外でのコンバージョンを防ぐかも重要。Uberはそのへんの抑止力が働いていそうな印象でした。
 

乗客同士の相乗りマッチング「UberPool」

 
Uber カリフォルニア州

飛行機の乗り換えついでに立ち寄ったロサンゼルスでは、メニューに「UberPool」を発見。これを使うと、同じような目的地に行く人が近くにいた場合に相乗りできます。

私がPoolを使ったサンタモニカでは「乗客定員1〜2名、30% OFF」という条件でしたが、必ずしもマッチング相手が見つからなくても30% OFFで乗れるもよう。サンタモニカの中心地からロサンゼルス空港まで大渋滞で50分ほどかかったのに、8.16ドルしか課金されなかったときには目を疑いましたわ…。安すぎ。

ドライバー側の手取り条件は細かく把握していませんが、うまくマッチングできればドライバーにとっては手取りも増えるという、これは上手いやり方だなーと思いました。逆に、相乗りが成立しなかった場合は単純に売上高が下がるので、Uber側の手数料を低くするなど何かしらのモチベーション施策があるのか気になるところです。
 

Uber乗車で募金もできるキャンペーンを展開

 
Uber INSPIRE

カリフォルニア州、配車メニューの選択肢ありすぎなんですが、その中には期間限定メニューもあります。たとえば左から2つ目の「INPIRE」は、7月20日から7月26日までの1週間キャンペーン。

料金体系はUberXと同じですが、INSPIREに乗るとスペシャル・オリンピックス(知的発達障がいを持つ方の自立や社会参加を目的として、日々のスポーツプログラムや協議会を展開する国際組織)の北カリフォルニア支部・南カリフォルニア支部に所属するスポーツ選手に対して1ドル寄付できるというもの(Uber公式サイト)。

ちょうどロサンゼルスでは7月25日から8月2日までスペシャル・オリンピックスの大会が開催されてるんですが、「自分たちをインスパイアしてくれる彼らを応援し、讃えよう」というUberの動きはなかなか素敵だなと感じました。

Uber EATS

ちなみに一番右側のUberEATsは、近所のレストランから10分以内にごはんを届けてくれる出前サービスです。なんでもありだな、Uberさん…。
 

課題に感じたこと

 
Uberアプリの到着予想時刻は渋滞状況があまり考慮されてなさそうなので、「道混んでるな〜」と感じたら表示時間よりも余裕を持った配車をおすすめします。

また、ドライバーにはあまり語学力が要求されていないらしく、細かなやりとりができなかったこともありました。この方の評価は★4.6。Uberのドライバーは★4.5以下で仕事がもらえなくなるので自然淘汰されていく運命にあるとはいえ、やっぱり最低限のコミュニケーションは必要ですよね。その彼は中国人だったので、Uberアプリ内で 「ドライバーの言語」を絞込検索できれば、英語ができない中国人観光客の方には重宝されるかもしれません。

と思いきや、ロサンゼルスとその周辺地域では、スペイン語を話すドライバーだけを独立させた「UberESPAÑOL」なんてメニューも今年5月から始まっていたようです。おおーいいねいいね! 日本のUberがもし2020年の五輪にむけて準備を進めるとしたら、こうしたメニューは割と必須かも。◯◯語分かります的な。
 

トラブル時のサポート対応はどうなのか

 
実ははじめの頃、Uberアプリ内のキャンセルボタンに気づかず電話でキャンセルしたところ、初乗り料金を課金されていたことがありました。ああ、これは勉強代だな思いつつ、ダメ元でUberの問い合わせフォームから連絡してみると、3時間後にはおたよりが。早いっ!
 

Hi there,

Sorry to hear about this experience. Since you didn’t take this trip, I’ve refunded the charge and an updated receipt has been sent via email. The adjustment will reflect in a few business days.

I’ve also forwarded your feedback to the driver operations team to clear up the details with your driver.

If I can help with anything else, please don’t hesitate to let me know.

 

こんにちは。

このたびの状況、お察しします。ご乗車されていないため返金を行いまして、最新の領収書がメールで届いているかと思います。精算は数営業日で反映される予定です。

お客さまのご意見はドライバー・オペレーションズ・チームにも共有し、該当ドライバーと一緒に解決をはかっていきます。

そのほかお役に立てることがありましたら、お気軽にお知らせくださいませ。

 
…拍子抜けするほどすぐに返金されました。

金銭が絡む問題は優先的にサポートしているのかもしれませんが、それでも対応が早い。サポートがしっかりしてるというのはポイント高いですよ。クレジットカード決済であることに加え、ドライバー・利用者双方の行動がログとして残るのでサポート判断が早いというのが大きく働いてそうですね。

ちなみにキャンセルポリシーは「依頼から5分以内にキャンセルすれば無料。5分を超過した場合は、ドライバーの工数に応じてキャンセル料をチャージ。到着予定時刻から5分過ぎても来なかった場合は無料」となっています。
 

まとめ

 
今回はタクシーを2回、Uberを5回使いましたが、米国に行ったらまたUberにお世話になると思います。冒頭で少し書いたとおり批判も課題もまだありますが、そこは確実にクリアされることを期待。

少し気になったのは、ドライバーさんの労働条件。タクシーよりUberのドライバーの方が勤務時間が少なくて報酬単価も高いとUberが主張すれば、いやいやブラックだという記事もあるわけですが、50分乗ってて8ドルという破格プライスを経験をするとさすがにドキドキしてきます。それ以外の乗車料金は妥当かなと思いましたけど、ぜひともここは健全に発展してほしいところです。
 

 

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