一昨日の金曜日、LINE詐欺からメッセージが届きました。その展開があまりにも斬新すぎたので、今日はそのやりとりをまとめてみたいと思います。3時間に渡る詐欺師との会話をどうぞお楽しみください。
はじまりはいつも同じ
1行目で詐欺だと分かるこの感じ、いつもほほえましく拝見しております。
LINE IDの本当の持ち主は元取引先なので、とりあえず持ち主に通報しつつ詐欺師にジャブを打っていくとしましょうかね。
じぶん銀行(ネットバンク)を「自分の銀行」と解釈した詐欺師さん、おもむろに通帳の写真を送りつけてきます。残高が140万円から急に1,200万円まで増えてるとか、ネットで拾ったと思わしきこの画像も怪しさ全開。
詐欺は信用の上に成り立つ犯罪だという常識をいとも簡単に覆してくる彼は、よほどのアホ自信家なのでしょうか。
そうだ、Google先生に訊いてみよう
アクセス元は中国が多いと聞きますが本当でしょうか? 無料ブログを立ててアクセス解析を仕込んでから、詐欺師に連絡してみました。
数分後、リアルタイムログに引っかかる詐欺師。
- アクセス元:東京某所
- OS:Windows XP
- 言語:zh-cn(中国語 – 中国)
- ブラウザー:Chrome 31.0.1650.63
- プロバイダー:Softbank BB
ふーん、なるほどね。
詐欺師「騙したな」
まあここまでは想定の範囲内ですよね。むしろ簡単すぎて物足りないですよね。ところが、彼の真の才能が開花するのはここからなのです。さあ、前置きが長くなりましたが、めくるめくLINE詐欺ナイトをどうぞ!
いきなりナンパモードに突入する詐欺師
※機械翻訳を通してやりとりしています。
詐欺師「キミが好きだ」
詐欺師「写真見たよ」
私「え、男なの?」 ※乗っ取られたアカウントは女性
詐欺師「そうだよ」
詐欺師「(なんかラブいスタンプ)」
詐欺師「キミって綺麗だね」
私「はいどうも」
詐欺師「写真」
詐欺師「(なんかラブいスタンプ)」
なんと開放的な男性なのでしょう。オレオレ詐欺だって電話口でナンパしないというのに、夏の暑さで頭が溶けてしまったのでしょうか。せっかくなのでこちらも色々訊いてみることにします。
私「お住いはどちら?」
詐欺師「日本」
私「東京?」
詐欺師「そうだよ」
詐欺師「キミも東京かな」
詐欺師「なんで返事こないんだ」
詐欺師「キミを好きになるなんて、俺は間違ってるな」
それもそうだと思うけど、もっと言うと最初から全体的に間違ってます。
私「出身は?」
詐欺師「中国だよ」
詐欺師「キミに会いにいけるかなあ」
いや会いにこなくていいし。彼は私の気を引こうとしているのか「LINE詐欺は仕方なくやってる。本当は後ろめたい」と語り始めます。
詐欺師「いま交通費がなくて、仕方なくやらされてるんだ」
詐欺師「俺だって騙したいなんて思ってないよ」
私「中国行ったことありますよ」
詐欺師「中国は好きかな?」
私「うん」
詐欺師「キミと一緒に行きたいな」
詐欺師「旦那さんはいる?」
ってなに盛り上がってるんスか、先輩wwwwww
詐欺師「俺を相手にしてくれないの?」
私「中国語よく分かりません」
…どうでもいいけど、今日って忙しいんじゃなかったっけ?
勢いだけは伝わってきた
中国語が喋れない私のために英語(機械翻訳)トークに切り替えてくれる詐欺師。大変やる気に満ち溢れているようです。
詐欺師「仲間にならないかい?」
えっ、LINE詐欺の!?
詐欺師「キミは結婚してるのかな?」
しつこいよ!!!
私「それより、さっきの中国語で意味が分からない文章があったんだけど?(2つの文章を列挙)」
詐欺師「 “彼らに強制されてやってるけど、なすすべがないんだ” 」
詐欺師「 “君に対して恋に落ちたのは間違ってるよね” 」
私「LINE詐欺って対価ないの? 誰にやらされてるの?」
詐欺師「日本の3つの輸出業者だよ」
詐欺師「もし苦痛を与えてなかったら」 ←本当は「与えてたら」の意?
詐欺師「ごめん」
さらに会話は続きます。
詐欺師「強制されてるんだ」
私「なんで? この仕事で日本から搾取されてるの?」
詐欺師「乗っ取られてる」
私「なんでLINE詐欺なんて強いられなきゃいけないのかなー」
一生懸命、私の同情を誘おうとする彼。しかし「俺を助けてくれないか(Help me)」と訴えるべく、なんとここであの禁断の呪文を唱えてしまうのです。
腹痛いwwwwww
この表現が、彼にとっては一瞬にして信用度を失墜させる効果しかないことに全く気づいていないもよう。いやー、この才能が妬ましいわ。
とにかく私の写真が欲しいと訴える詐欺師
詐欺師「(なんかラブいスタンプ)」
詐欺師「写真ちょうだい」
私「私の写真はこのアイコンだけど」
私「あなたの写真をくれる?」
詐欺師「(「NO」といったん送信してから削除)」
私「もちろんそうだよね>NO」
詐欺師「キミはほかの人にあげない」
えっ、なんでそういう展開に!?
詐欺師「キミの裸見せて」
だから、なんでそういう展開に!!????
詐欺師「(写真)」
私「!?」
詐欺師「私だ。」
いや絶対違うだろ。しかも好みじゃないよ、ごめん。。。
しかし彼はそんなこと全く気にする様子もなく全力でメッセージを送ってきます。
詐欺師「キミの裸見せて」
詐欺師「(投げキッス)」
詐欺師「(投げキッスこっちくる)」
詐欺師「(投げキッスこっちくる)」
詐欺師「(投げキッスこっちくる)」
詐欺師「(投げキッスこっちくる)」
詐欺師「(投げキッスこっちくる)」
詐欺師「(上目遣いの人)」 ←これもしかして私…!?汗
詐欺師「アイシテマス」
投げキッスこっちくんな!!!!!!!!涙
Google先生に画像の正体をお尋ねしてみる
執拗に私の身体を求めてくる彼。どうやら、iTunesカードよりも詐欺よりも優先度の高い事案になってしまったようです。さて、気を取り直してこのプロフィール画像が誰なのかGoogle画像検索してみましょう。
はい、出てきました。正解はBIGBANGのG-Dragonさん(韓国の方)。
詐欺師「私だ。」
どの口がwwwwwwwww
ところで普段は何してるんですか?
そうそう。こういう人たちってどういうご職業なのか気になりますよね。
私「ふだんは何してる人なの?」
詐欺師「打ちのめされてるよ」 ←きいてない
詐欺師「今はこれ(詐欺)をやらされてる。やらないと飯も食えないし家ににも帰れない」
私「東京で一人暮らし?」
詐欺師「はい。そうです。」
詐欺師「彼らが解放してくれるまではやらなきゃいけないんだよ」
詐欺師「母国に帰るにはどれかのカード(?)が必要だし」
詐欺師「助けてくれる? キミはすごく優しいよね」
詐欺師「うん、きっと助けてくれる」
詐欺師「?」
詐欺師「何で返事ないの?」
ごめん… でも10分放置されただけでそんなに怒らなくても…。
「もう少し心に余裕がないと詐欺なんてできないゾ♡」と心の中でつぶやきつつも、いたいけな詐欺師の言動がいちいち笑いのツボに入り始めた私。
はっ! もしかしてこれが恋の始まりですか!?
詐欺師は直球しか投げられなかった
ところで、彼とはこのアカウントが強制削除されるまでの刹那的な関係なんですよね。このLINEが切れたら、お互いが実在していたのかどうかも分からない。そして、街ですれちがってもお互いに気づかない日々が来るだけ。
3時間以上も会話が続いてしまったので、着実に近づいてくるアカウント強制削除の足音がやや残念にも思わたその瞬間、彼がすべてを吹き飛ばす一言を投下してくれます。
詐欺師「で、いくら持ってるの?」
詐欺師「家に帰るのを手伝ってくれるよね。お金は返すよ」
だめだ直球すぎる…。キミ、デリカシーないことを言って女子に嫌われるタイプやろ。
詐欺師「(めそめそ)」
詐欺師「明日、ごはんがないから、もし助けてくれるならカード買って送ってよ」
詐欺師「キミの全てが見たい」
詐欺師「アイシテマス」
私「がんばれ! がんばれ! でもこんなことやめなよ。誰も幸せにならないよ。キミもね」
詐欺師「キミの全て…(以下略」
とりあえず人の話を聞けと…。
詐欺師「(上目遣い)」
詐欺師「アイシテマス」
爆発しろ。
ちなみにIDが乗っ取られたのが金曜夜で、通報後も当該アカウントはなかなか削除されませんでした。その結果、まさかこのあと詐欺師から電話がかかってきたり体を求められたりすることになるとは…!(つづく)。