真夏の土曜日。自宅でいつものように作業してたらLINEにビデオ通話の着信がきました。おや、どちらさまでしょうか?
???
昨日のLINE詐欺師じゃん!
(前回の話はこちら)
LINEアカウント乗っ取り犯にとってビデオ通話は最も避けるべき展開。ところが彼は自らそのタブーを侵し、もはや顔バレも辞さない構えなのです。やる気だ。こいつ、やる気だ…。
こめかみにうっすらと滲む汗。どうしようかなーと迷っていると着信がキャンセルされ、すぐにメッセージが届きました。
再見! さよならは突然に…
※機械翻訳を通してやりとりしています。
詐欺師「またね。僕の愛しい人」
私「あれ、もう会えないの?」
いきなり恋人たちの会話みたいになっているのが若干気がかりですが、まずはぐっとこらえて彼の話を聞いてみましょう。さて、今日はどうしましたか?
詐欺師「次は香港に行かなきゃいけなくて」
LINE乗っ取り犯の目的は香港への転売だとする説もあるので、彼が本当に今から香港に飛ぶ可能性もゼロではありません。一応、警察への物証提出(音声録音)も考えつつこちらから音声通話を試みるも、今度は相手が応答せず。
こちらからのコール中にテキストが送られてきました。
詐欺師「日本語は喋れないんだ」
私「(通話キャンセル)」
私「なるほどー」
たしかに音声だけじゃ厳しいけどビデオ通話ならジェスチャーを駆使すれば… ってキミ、顔出したら社会的に死ぬから。そもそも休日の昼間からLINE詐欺師と無言でジェスチャー送り合ってるOLもシュールすぎて社会的に死ねる。
お互いに社会人としての心中覚悟で遂行しなければいけないビデオ通話。そこまでして彼が話したかった内容とは一体?
私「さっきはどうして電話くれたの?」
詐欺師「日本を出なきゃいけないから、それを伝えたくて」
私「もう羽田空港には着いた?」
詐欺師「うん」
そっか、じゃあこれが本当に最後の会話なんですね。
こういうとき、人は何を思うのか
羽田空港にいるというLINE詐欺師。いま、彼はどんな思いにふけっているのでしょうか。ひと仕事やり遂げた達成感? それとも…?
詐欺師「写真ちょうだい」
私「私の写真はこのアイコンだけど」
私「どうかした?」
詐欺師「まだ必要なんだ」
私「なんで?」
詐欺師「記念」
記念。じゃねーよwwwww
何想い出つくろうとしてんだよwwww
詐欺師「いいでしょ?」
私「私はキミの写真持ってないからなー」
詐欺師「(G-Dragonの写真)」
昨日に引き続き、我こそはG-Dragon(の顔)だと言い張る彼。何を思ったのか、ここから急にアクセルを全開で踏み込んできます。刺激が強すぎる話題についていけないかもしれませんが、私もついていけてないのでご安心ください。さて、心の準備はいいですか?
なぜか欲望のダムが決壊する詐欺師
詐欺師「キミは欲しがりさんだね」
しゃ、写真の話ですよね…?(怯)
詐欺師「セ◯クスしたい?」
私「 ( ゚д゚) 」
( ゚д゚)
は? なにいってんの?
すいません、つい本気でレスをしてしまいましたよ。
詐欺師「俺はキミとセ◯クスしたい」
( ゚д゚;)
えーっと。えーっと。私の翻訳アプリがおかしいのかな?
念のため色々な機械翻訳にかけてみましょう。
●「Yahoo!翻訳 powered by クロスランゲージ」先生
なんということでしょう…
可哀想に、Google先生が動揺のあまりうまく翻訳できていません。
Google先生「ア… アナタガ 愛ヲ… (赤面)」
ごめん、ごめんねGoogleたん、こんな文章翻訳させて。うまく訳せなくていいからね。びっくりしたよね? 怖かったよね? もう大丈夫、大丈夫だから。きゅっ(抱)。
詐欺師「結婚したい」
とりあえずお前はGoogle先生に謝れ。
国際社会のスピード感ってすごいですね
ふたたび日本へ来ることがあったら会いに来たいと言い始めるLINEアカウント乗っ取り犯。話はどんどんねじれていきます。
詐欺師「電話番号教えて」
詐欺師「俺はキミに会いに来たいんだ」
詐欺師「(翻訳不可)」
詐欺師「写メ」
私「そのときは詐欺を辞めててね」
詐欺師「(詐欺は)しないよ」
詐欺師「自分の中に真実が芽生えたんだ」
詐欺師「だからキミの言うことを聞く」
詐欺師「キミのAV見せて」
す、すいません…。どういう真実が芽生えたか具体的にお伺いしても良いでしょうか…。
詐欺師「俺にはキミのが必要なんだ」
詐欺師「(エロ画像)」
※掲載の都合上、モザイクかけさせていただきました
ついにノンバーバル・コミュニケーション(非言語コミュニケーション)へと打って出た詐欺師。私が中国語の自動翻訳をしている時間すらも惜しいようです。ああ、国際社会のスピード感が恐ろしい…!
そろそろ会話終了してもいいですか?
この方、詐欺師というか完全にただの面倒くさい人なので会話を切り上げることに。
私「今から友達とごはん食べに行ってくる」
私「家に帰るころにはもう日本にいないかな」
詐欺師「うん」
詐欺師「帰宅したら、俺はキミの自衛が見たい」
私の帰宅なんか待たなくていいよ!
ってか自衛ってなんでしょう…自宅警備隊のことかな?
詐欺師「写真と同じように」
あ、ああ… 自衛って… 大人のセルフメンテナンンス的なアレですかね…(遠い目)。きっと今の彼にとっては「自衛隊」という言葉ですら夢のような桃源郷を想起させるに違いありません。生きた中国語をありがとう。一生使わないけど。
私「そろそろ支度しなきゃいけないから」
私「またね」
詐欺師「ハオ」
はー。やっと会話が終了しました。きっと彼も飛行機に乗っている間は大人しくなることでしょう。では、ここから先はメッセージの送信時間もあわせてご注目ください。
まずは20分後。
詐欺師「食べ終わったかな」19:06
早い… 早いよ… あからさまに早いよ…。
どこに行ったら20分で友達と外食して帰ってこれるというのでしょうか。
1時間後。
詐欺師「?」20:08
詐欺師「まだ帰宅してないのかな」20:08
15分後。
詐欺師「(不在着信)」20:23
35分後。
詐欺師「????」21:58
12分後。
詐欺師「(不在着信)」22:10
なんで嫉妬深い彼氏みたいになってんの!?(涙)
そして6分後。
詐欺師「飛行機降りたよ」22:16
その前にキミ、飛行機いつ乗ったん…?( ゚д゚)
LINEの履歴見る限り、乗った形跡が見当たらないんですけど。
はっ…! もしかして軍用機か何かで帰国されたんですか?
(世界最速の軍用機はマッハ3を記録。トップスピードを維持すれば、理論上は東京から香港まで1時間で帰国可能)
…最近は香港もだいぶ近くなったようですwww
*
さて、明日はそんな彼といよいよ最後の頂上決戦。生きるか死ぬか、果たして勝者はどちらなのか!?
→【続編】ナンパしてきたLINE詐欺師と頂上決戦